更新日:2017.09.29
このたび、今年のシンボルイベント「ROAD to WATER」の様子やメンバーの声をethica(http://www.ethica.jp/)編集部に取材していただきました。
ethica(エシカ)は、「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトとするwebマガジンです。7つのライフスタイル(Fashion、Health & Beauty、Food、Home、work & study、Art & Culture、Love & Human)を軸に、生活に彩りを添える情報と、サスティナブルな世界を創るヒントをセットで楽しめるソーシャルグッドな取り組みやエシカルコンシャスな話題を発信しています。
TAP PROJECT JAPANをご紹介いただいた記事は以下の3件です。
イベントの裏側やご来場者の方々の声なども紹介されていますので、是非ご覧ください!
日本ユニセフ協会と博報堂DYグループの有志81名が集結し、水の問題に取り組むTAP PROJECT JAPANとは?
~安全な水を世界の子どもたちに~ TAP PROJECT JAPAN【前編】
http://www.ethica.jp/39334/
クリエイティブの力で“水の問題”に取り組む、博報堂DYグループ有志メンバー
~安全な水を世界の子どもたちに~ TAP PROJECT JAPAN【後編】
http://www.ethica.jp/39338/
日本ユニセフ協会&博報堂DYグループの有志メンバーに聞きました。「私によくて、世界にイイ。」とは?
~安全な水を世界の子どもたちに~ TAP PROJECT JAPAN【インタビュー編】
http://www.ethica.jp/39302/
世界の子どもたちが「安全な水」を手に入れられる未来をデザインの力で解決していくことを目指し、4月からメンバーで力を合わせて取り組んでまいりました。このようにウェブや、イベント、レストラン募金などを通じて、本プロジェクトの活動が皆さまの意識や行動の変化に少しでも繋がったなら喜ばしい限りです。
更新日:2017.09.29
今回、TAP MAGAZINEがインタビューさせていただいたのは、人気ファッションモデルでありながら、現在エシカルファッションプランナーとして活動する鎌田安里紗さん。
今年度のTAP PROJECT JAPAN シンボルイベントのパネル展示にもコメントを寄せていただきました。
https://www.tapproject.jp/news/magazine2017/#part2
世界の人々の暮らしに想いを馳せ、「エシカル」「フェアトレード」などのテーマを中心に活動される鎌田さんにそのきっかけや現在の活動について、世界の水問題×ファッションというテーマでお話を伺ってきました。
Interviewer Yuki Hasegawa
Photographer Nari Kakuwa
鎌田さん:大きく三つありまして、一つが「教育(普及)活動」です。
講演会やトークショーで、「エシカルファッション」についての基礎知識やブランドについてお話しています。二つ目が「服作り」です。誠実な服作りをしているブランドの方々とコラボレーションをし、商品を作っています。ただ服を作るだけでなく、その服の生産背景までしっかり伝えています。そして、三つ目は、「スタディツアー」です。エシカルファッションに関心のある方々と一緒に、国内外の生産地へ赴き、コットンを摘んだり、生産の過程を見学します。生産の現状を知るため、劣悪な労働環境で働く方々からお話を聞かせていただくこともあります。
これまで海外ではカンボジア、インド、スリランカ、ニュージーランド、国内は、岡山と徳島でスタディツアーを行いました。
鎌田さん:SNSで募集をしています。20名を定員としているのですが、毎回定員以上の募集があります。参加者の方は、19~20歳のファッションに興味のある女性が多いですね。学生さんや社会人の方など様々な方が参加してくださっています。皆さんお一人で参加されていて、普段いるコミュニティではあまり真面目な話ができずモヤモヤしていたけれど、スタディツアーで同世代の同じ関心テーマについて語ることのできる仲間に出会えて、励まされたといって帰っていかれます。
スタディツアーの様子
鎌田さん:14歳の時に家族でバリ島に行ったのですが、現地の生活風景に衝撃を受けたことがきっかけです。その時から「貧困問題」に興味を持ち始めました。高校時代は、109のショップ店員や雑誌モデルといったファッションに関わる活動の一方で、貧困問題に取り組むボランティア活動にも参加していました。ある時、ボランティア活動のリーダーに任命された時、自分なりに貧困問題と向き合う方法を考え、自分が関わっている「ファッション」と、「貧困問題」を掛け合わせようと思いました。
その際に、フィリピンの手仕事を行う方々と刺繍の入ったバッグを製作し、ブログのみで販売したことがあるのですが、一瞬で売り切れてしまったんです。
ファッションやショッピングといった身近なことをきっかけに、「貧困」や「環境」といった大きな問題について触れる機会をつくることが大事なのではないかと思っています。
水をみつめると、世界がみえてくる。「水と○○」Part.2
https://www.tapproject.jp/news/magazine2017/#part2
鎌田さん:繊維や布を染める際に沢山の水を使っている様子にはよく出会います。服を作ること以外にも、その素材を育てる過程にも水が必要です。環境にいい素材ということでよく話題にのぼるのが「オーガニックコットン」ですが、コットンは育てるために沢山の水を使います。一方で、「テンセル」というユーカリを溶かして繊維にしている素材は、育てるために必要な水の量がコットンに比べて少なくて済むため、注目を集めています。ショッピングモールの店頭に並ぶ洋服から想像する機会はほとんどないかと思いますが、ファッションと水問題には深い結びつきがあります。
鎌田さん:私たちが節水するという視点だけではなく、
世界には水に自由にアクセスできない人がいるということを知ってもらうことが大事ですよね。期間限定的にイベントを行うことだけでなく、年中通して常にTAP PROJECT JAPANの情報に触れることができたり、参加できる場があるといいですよね。レストラン募金があると伺いましたが、「気軽さ」も大事ですよね。
自分が水を飲んだり使ったりするときに、さらっと募金ができるような。
大学の授業で事例として扱ってもらったりしてもいいですよね。
鎌田さん:ありがとうございました!
1992年、徳島県生まれ。モデル、エシカルファッションプランナー。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科前期博士課程修了。高校在学時に雑誌『Ranzuki』でモデルデビュー。エシカルな取り組みに関心が高く、フェアトレード製品の制作やスタディ・ツアーの企画などを行っている。環境省「森里川海プロジェクト」アンバサダー、JICA「なんとかしなきゃ!プロジェクト」メンバー、ピープルツリーアンバサダー、慶應義塾大学SFC研究所上席所員
更新日:2017.09.21
TAP PROJECT JAPAN 2017のイベントでは初めての試みとして、TAP PROJECTのこれまでの活動やマダガスカルの現状などを伝える小冊子「TAP MAGAZINE」を制作・配布いたしました。
「TAP MAGAZINE」は紙にとどまらず、ウェブマガジンとしても続けていきます。今回はその第二回をお届けいたします。
今回のマガジンでは、前回の投稿「水をみつめると、世界がみえてくる。「水と○○」Part.1」に引き続き、Part.2をお届けいたします。
「水と○○」というテーマで「水」について様々な角度から考えるTAP PROJECT JAPANシンボルイベントでのパネル展示を前後篇2回にわたり、ウェブ上でご紹介しています。
安全な水や衛生的環境へのアクセスの悪さは、女性や女の子に対して大きな心理的影響を及ぼします。
例えば、水汲みのときや、夜間に家の外の衛生施設を使うとき、暴力が生じるリスクを生んでおり、大きなストレスの原因となっています。
へその緒を切ったことが原因で、亡くなってしまう赤ちゃんがいる。
それも、汚れた水が原因となっています。
途上国では、出産時に助産師の立会いがないことが多く、安全な水のない自宅での出産により生まれたばかりの命が危険にさらされるケースがあります。
例えば、破傷風は、不衛生な環境でへその緒を切ったときに感染することが多く、途上国の農村部では治療施設が限られているため、感染した新生児の多くは亡くなってしまいます。
朝早くに目を覚まし、夕方近くまで、炎天下の砂漠を一日中歩いて家族のために水を汲む、エチオピアの少女アイシャ。
それでも手に入るのは、わずか5リットル未満の茶色い水だけです。
たったひとつの井戸ができるだけで、アイシャの人生は大きく変わります。
途上国の支援活動に関心が高く、自身のブログでも情報を発信している、エシカルファッションプランナー。
「Tシャツ1枚を生産するために必要になる水は、約2900リットルと言われています。
飲み水はもちろんですが、私たちの暮らしは見えないところでも、たくさんの水に支えられています。
“安いから”と何となく買ってしまうその1枚の服にも、どれだけの資源が使われているか、想いを馳せてみると、お買い物の仕方も変わってくるかもしれません。」(鎌田安里紗)
更新日:2017.09.21
TAP PROJECT JAPAN 2017のイベントでは初めての試みとして、TAP PROJECTのこれまでの活動やマダガスカルの現状などを伝える小冊子「TAP MAGAZINE」を制作・配布いたしました。
「TAP MAGAZINE」は紙にとどまらず、ウェブマガジンとしても続けていきます。今回はその第一回をお届けいたします。
2017年8月21日より4日間開催したTAP PROJECT JAPANシンボルイベントは多くの方にご来場いただき、幕を閉じました。
イベントにお越しになることができなかった皆さまにもTAPの取り組みをお届けしたく、「水と○○」というテーマで「水」について様々な角度から考えたパネル展示を前後篇2回にわたり、ご紹介いたします。
世界中の女性と女の子たちが水汲みにかける時間は、毎日2億時間と言われています。
今も、地球のどこかで、水の重さに耐えながら遠い道のりを歩き続けている女性や女の子がいるのです。
もしも彼女たちの水へのアクセスが改善されたなら。
毎日2億時間分の自由と可能性が生まれます。
マダガスカルは、全体の人口の半分(農村部では3人に2人)がきれいで安全な水を飲むことができません。
実は、基本的な飲み水に関する指標が世界で3番目に悪い国なのです。
ユニセフの水と衛生事業全体においても、支援の優先度の高い国のひとつとなっています。
2015年に国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)は、世界が一丸となって取り組む17の目標です。
そのうちのひとつに、「安全な水と衛生施設(トイレ)をすべての人に」があります。
水と衛生の課題は、人々の生活そのものと密接に結びついており、他の様々な目標へのアプローチにもつながります。
安全な水が近くで手に入るようになると、長い道のりを歩く水くみからも解放され、学校に通う時間をつくれるようになります。
また、体が丈夫になれば学校を休まずにすみます。
事実、ユニセフが村に設置した給水所によって、水源へと歩く時間は短縮され、子どもたちはより多くの時間を、学校に行ったり勉強に費やせるようになりました。
今後、世界的に肉食の需要が高まると、食料生産にさらに多くの水が費やされることになります。
もし、この消費パターンが続くと、2025年までに世界人口の3分の2が、水ストレスのある国に暮らすことになると言われており、貴重な水資源をめぐる争いが激化するリスクが高まります。
食料自給率39%で、食料の多くを海外から輸入している日本も、決して他人事ではありません。